まず、症状が現われたた場合は、早急に保険医療機関(耳鼻咽喉科等)にて診断を受けましょう、いずれのにしても早期治療が肝心です。

臨床経過や症状から診断可能でありますが、代表的な治療法は、ENoG・NET・瞬眼反射・涙分泌検査・味覚検査・血液検査・CT・MRI検査などを行います。

末梢性の顔面神経への麻痺についての治療法を選ぶ場合も、初期は薬物が中心とされ、程度・症状により入院が必要になる場合も、
その他で代表的な治療法は、理学療法、星状神経節ブロック(SGB)、神経減荷術等、また、外傷性の顔面麻痺や術後による損傷が大きい場合は、縫合術や移植などの手術治療法も専門の医療機関で実施されております。

薬物療法:

副腎皮質ホルモン剤(ステロイド)を早期に用います。発症後3~5日以内に投与(静脈点滴もしくは内服薬)の連用が大切であります。

保険医療機関(耳鼻咽喉科等)にもよるのですが、約7日~2週間位が目安であります。

これは顔面神経管と呼ばれる骨性の細いトンネルの中をが走行しており、何らかの原因で浮腫・炎症が発生し、それによって腫れが生じ狭い骨の中で絞扼された神経の治療(炎症・浮腫の軽減)に投与されます。

早期に治療が必要なのは変性が完成するのを防ぐためです。

神経は一端損傷を受け回復可能な時期(数週間)を過ぎると回復の速度が非常に遅くなるのです。

その他、末梢血管拡張薬・血流改善薬・ビタミン薬・神経代謝賦活薬などが処方され、漢方薬治療などの場合もあります。

ラムゼーハント症候群が疑われた場合は抗ウイルス薬(アシクロビル製剤・バラシクロビル製剤)の早期投与が肝心なです。
また、血液検査からウイルスの抗体価の判定に数日から約1週間程度かかるため、保険医療機関( 耳鼻咽喉科等)によっては、典型的な症状がみられない場合においても早期から投与する場合もあり、現在では(ハント症候群)の一般的方法です。

※アシクロビルとは、アメリカのジョージ・H ・ヒッチング博士と、ガートルード・B・エリオン博士が開発した抗ウイルス薬で、この功績も含めて1988年にノーベル医学生理学賞を受賞しております。アシクロビルの改良品がバラシクロビルで、ともに腸より吸収されますが、改良型のバラシクロビルは吸収率が良いと言うはれる。

顔面神経管減荷術:

投薬による保存治療での回復が芳しくない場合に全身麻酔による手術が必要です。これは顔面神経管内で圧迫されている神経を開放する手術です。(一般的には誘発筋電図検査を行い、高度の麻痺で予後不良などです。)

星状神経節ブロック(SGB):

自律神経には交感・副交感神経があり、活動時には交感神経が優位になり、休息時には副交感神経が優位になるのです。

交感神経は汗腺・立毛筋(鳥肌が立つ)・血管収縮なども支配しており、首の付け根あたりにある節(星のような形をした)を星状神経節と言います。

この節は、頭部・頸部・肩付近などの血管も支配しており、この節を一時的にマヒする事により、血管を拡張させ、傷害されている部位にに栄養・酸素を供給し治癒を促進します。

低周波電気治療法:

この治療は麻痺の進行がとまる1~2週間後位から開始する、これは電気に刺激により強制的に筋肉(表情筋)を動かし血流を改善と萎縮や拘縮を防ぐために行うのです。

低周波電気治療法を選ぶにおいては、後遺症である病的共同運動を引き起こす原因とする見解もあるので、この療法を受ける場合は医師や治療家の先生方に治療方針を十分ご確認下さい。

マッサージ手技:

温熱マッサージ:温かめの蒸しタオルで発症している筋肉(表情筋)を温めて、血流を改善させます。

蒸しタオルで温めた後、手を使い表情筋に沿って行う。

一日2~3回朝・昼・晩行い、一回のマッサージ手技は10分程度とします。

片側で麻痺側だけでなく両側のマッサージ手技をする。自宅で手軽に行える手法です。

治療法の詳細マッサージ手技を参照ください。

角膜の保護:

兎眼(注1)による角膜の乾燥を防止するために、軟膏湿布や眼帯の着用をする。

後遺症による外科手術

数ヵ月の経過で機能の回復が見込まれないと きに、その機能を回復させるための手術が実施さ れています。

舌下神経─顔面神経吻合術があり 舌下神経から末梢への再生による支配が起 こることから、訓練を積むと顔面神経のコントロールが 可能となる。
また,顔の運動は基本的に対称的である ため、健側側から顔面皮下を通じて患側顔面へ、末梢 神経移植による吻合を行い、一部に筋移植を行う手術も 実施されています。

詳細は専門の医療機関へご相談ください。

(注1)麻痺により眼を閉じることができなくなり、そのため眼の表面が強度の乾燥状態となって、角膜に点状表層角膜症や角膜混濁を生じる病気です。一般に眼を閉じようとすると眼は上を向く。

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