顔を動かすの本来の役割は表情を作ることではなく、顔になある孔を開閉することであるとされております。
犬やネコでも耳を自在に 動かしたり塞いだりすることは出来る、人間も眼を動かしたり口を動かしたり出来るし、耳を自在に動かせる人も確かにいますが、ネコや犬のそれには遠く及びません。
これは、人間が直立して生活行動する事により、それらも変化してきたと考えられています。
表情筋は骨同士を結ぶ、関節を動かすため筋肉(骨格筋)ではなく、主に顔面に付着し収縮することにより表情を作ります。
口輪筋(下図2)
外見から見れば単なる輪状の筋肉であるが、実際に4部から成り立っています。この筋肉が強く収縮すると唇が前方に押しだされる働きが あるので、口笛を吹いたり寡黙の表情を作ります。
頬筋(下図3)
口角を外側に引いて、泣いたり笑ったりする時に他の筋に協力して動きます。また、赤ん坊がオッパイを吸うときなどにも作用します。
前頭筋
額の横シワを作るのります。頭上から見ると頭丁部には帽状腱膜が付着し前頭筋と後頭筋(頭部後方)を結んでいます。
眼輪筋
眼を閉じる筋肉で、内側の眼窩部は弱く周りの眼窩部は強く、眼を閉じる働きがあります。目の周りを輪状に取り巻いているのが特徴と言えます。
鼻根筋
この筋が収縮すると、鼻根に横シワを作る働きがあります。鼻背から起こり額の皮膚に入り込むようになっています。また、大変薄い筋である事が知られています。
雛眉筋
眉と眉との間のシワを作り眉を寄せたりする時に使う筋です。これはまぶしい光を遮る作用をもち、また、激しい苦悩を表す作用もあります。
大頬骨筋(下図4)
この筋肉、口角を上外方にあげる作用がある、そのためこの筋肉の収縮により笑いや喜びの表情を作ります。
小頬骨筋
この筋は頬骨の外側から出て鼻唇溝へとつながっています、泣き顔を作る時に働きます。
上唇挙筋
上唇鼻翼挙筋とともに泣くときの表情を作る時に働きます
笑筋
この筋肉は大頬骨筋とともに鼻唇溝を作ります。この筋は大頬骨筋と同様に笑いの筋と呼ばれており、収縮する事により微笑んだり、エクボを 作ったりします。
口角下制筋(下図1)
この筋は口角を下方に押し下げる働きがあり、不満の表情や悲しみを表す時に働きます。
下唇下制筋(下図6)
この筋は唇を下げ不満を表したたり、逆に誠実な表情を表したりする時に働きます。
オトガイ筋(下図5)
オトガイ唇溝この筋はを作り疑惑と不決断の表情を作る時に働きます。
※上記は主な筋肉と、その作用ですが実際には単独で作用する事はなく、複数の筋が共同で作用し表情を作ります。