末梢性顔面神経麻痺に対する鍼灸やステロイドや抗ウイルス薬の効果を科学的に解明することは不可能に近いのです。

科学的にその効果を解明できないので、有効でないとするのは最もな意見であるのも確かであり、効果が解明できないものを患者さんに広く薦めるのは、不利益をもたらす可能性もあります。

麻痺に対して針が効いた治った!だけではやはり信憑性もなく、誤解を招きかねないのも事実であります。

抗ウイルス薬はベル麻痺でも初期の段階から積極的に投与されております。

この薬の投与についても結論はでておりませんが、麻痺の原因は、その大半が顔面神経管に潜伏していた帯状疱疹ウイルスが活性化し、その炎症が顔面の神経に波及することが特定されるようになってきております。

鍼灸を併用をするのは、治癒期間を短縮させる効果と、表情筋へつながる血流を確保することで、萎縮や拘縮を防ぐのに効き目があると考えられます。

治療後に表情の動きが改善されます。

その効果は、患者さんの状態や、程度、治療開始の時期などにも左右されますが、 動きの改善がハッキリと自覚できる手法は、あらゆる治療法と比べても明らかに鍼は優位にあるのは間違いありません。

このように患者さん側からも、その即効性が自覚できますので、精神的・肉体的苦痛を緩和する効用もあります。

顔面神経麻痺に対する鍼灸の単独治療を客観的に分析してみても、鍼が効いて、それだけで完治したとは言い切れないのですが、内耳動脈につながる血流を改善するのと、麻痺で生じた顔面筋に萎縮や抗縮を防ぎ、治癒する可能性のあるものに対しては効果があります。

しかし、治る可能性のないもにについてその効果は限定的と言はざるを得ません。

また、病院と同様に早期から治療開始する事が大切であるのは違いありません。

最も効果的なのが病院と併用治療ですが、現実的には、投薬など一通りの済ました段階で、思うように効果があがってない事に気がつき、はじめて興味を持たれる方が多いと言えます。

投薬でもステロイドが第一選択となるのは顔面神経管内で発症していると予測される炎症や浮腫を軽減させるためにもちいられます。

その効果に疑問符もあるのですが、実際、私自身が顔面神経麻痺に罹患し、この点滴を受けてみて、当初あった耳の奥の痛みには治療効果は十分あったのですが、それ以降は、はっきり申しあげて効果よりも体調の不具合が先行して正当な評価は下しにくのが事実であります

大半が、ウイルス感染に起因し、それにより顔面神経や内耳神経に炎症や浮腫が発生していると考えたなら、その効果は?となります。

これは逆に免疫系を抑制してしますので、場合によれば根本的な治療効果にならないのではと考えるのですが、炎症や浮腫をおこしている神経のダメージを最小限におさえるためにはやはり抗炎症作用や浮腫みを防ぐこの薬が必要とされます。

この病気だけでなく突発性難聴やそれに付随して発症するめまいや炎症や浮腫みなどもたしかにこの薬が第一選択肢としてもちいられるのですが、この場合、効果は3割くらいで、それ以外は効果がないか、有効程度だとされております。

ステロイドが推薦されるのは、現時点では、科学的に解明されている治療方法は殆ど存在しませんが、唯一その効果が限定的とされながらも抗炎症作用や浮腫を防ぐ効果があるであろうとされているからに他なりません。

抗ウイルス薬については、現在ではベル麻痺でも初期の段階から積極的に投与されておりますが、治療効果について結論はでておりません。

近年海外では末梢性顔面神経麻痺の原因は、その大半が顔面神経管に潜伏していた帯状疱疹ヘルペスウイルスが活性化してその炎症が顔面神経に波及することが特定されるようになってきております。

帯状疱疹ヘルペスウイルスと原因が特定されれば、早期に投与することで効果が見込めます。

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