障害部位により発症する症状について
このサイトは図解により理解しやすく解説しています。
顔面神経の核は橋下部に存在し、この橋(脳幹)から出た後の障害が原因で発症する場合を末梢性の顔面神経麻痺といいます。
これには、ベル麻痺・ラムゼーハント症候群・外傷・中耳炎などの炎症や腫瘍などがありますが、70パーセント以上がベル麻痺とラムゼーハント症候群であるとされます。
中でも突発性・急性に発症する麻痺が大半を占め残りがラムゼーハント症候群であるとされます。
上記のように顔面神経は3つの神経線維(運動線維「黒色線」・感覚線維「青色線」・副交感線維「赤色線」)を含んでいます。(詳細は顔面麻痺を発症する神経とはをご覧下さい。)
このため 、神経が末梢部位で損傷されると、1 表情鵜筋の麻痺、2 口渇(舌下腺・顎舌腺)、3 味覚障害、4 聴覚異常(アブミ骨筋神経の障害)、5 涙分泌異常(眼球乾燥)などの症状が損傷部位と同側に発症します。
これらの症状の組み合わせは損傷部位によって異なり、損傷部位の診断や治療法を識別する上で用いられます。一般的には上記の症状を含む典型的なもがベルまひと呼ばれるものであります。
※最も厄介な後遺症である病的共同運動は、上記図の骨性トンネル内での再生時の不備によるものであるとされています。代表的な症状には食事をするときに涙がでたり、眼を閉じようとすると口角が引っ張られたり、口を動かすと目も閉じてしまうなどのです、詳細は後遺症をご参照下さい。
病院や鍼灸による治療方法
通常は、早期であれば耳鼻咽喉科において、ステロイドホルモンの点滴を中心とした薬物治療が行われます。
しかし 急性期を過ぎていれば内服で行われ、その場合も、血流改善薬・ビタミン薬を中心とした手当てになります。
症状が酷い場合には、交感神経を緩和させ、内耳への血流を改善させる目的でブロック注射が施されることもあります。
検査からウイルスが判定できれば、抗ウイルス薬が処方されます。
但し、抗ウイルス薬も、早期でなければ後遺症を残すこともありますので注意が必要です。
早くから改善が見られれば、殆んどの方は治りますが、そうでない場合、鍼灸や漢方などの東洋療法も視野に入れる事も大切です。
鍼灸による血流改善や筋弛緩の効果により動かなくなった表情も徐々に改善してきます。
あまり知られていないかもしれませんが鍼灸は薬物と違い副作用の殆んどない安全な手法でありますので、早期より開始することが望ましいと言えます。
一時的な内出血や違和感などが見られても、後遺症として残る事はありませんし考えられませんので、西洋医学の苦手な分野を 補う手法であると言えるでしょう。